深瀬 正人
SUDOホーム北海道/SUDO設計

ノルドがうちの「標準」。

かつて日本の木造住宅には寒冷地仕様という概念がありませんでした。冬の結露やすが漏れはあたりまえ。そのため須藤建設としては「欠陥住宅を売るわけにはいかない」と、木造住宅を長らく封印してきました。

須藤建設は住宅部門としてSUDOホームを立ち上げたのは1985年。この頃から北海道の環境に適した木造高断熱高気密住宅の開発に着手します。

お手本となったのが寒さ厳しい北欧の住宅でした。日照時間の短い北欧では太陽の光を大切に、開口部を広く取ります。熱損失が少なく、結露が起こりにくいという理由から木製サッシが一般的です。そうした中で私たちSUDOホームは、北欧水準でトリプルガラスを使用したノルドの木製サッシを採用しました。

以来、SUDOホームではノルドフェンスターが標準素材の一つになっています。当時、他社ではあまり使われていなかったから、ノルドは私たちの差別化にもなっていました。

ノルドを使い続ける理由。

私が弊社の住宅部門(SUDOホーム)に携わるようになったのは2000年4月からです。私自身、ノルドの窓に初めて触れたときは「こんな窓があるのか!」と驚きましたね。見た目も美しいし、気密性能がすごい、そしてなにより自分が使う立場になって改めて感じたのは、安心できるメンテナンス体制のありがたさです。

住宅の中で最も苛酷な環境にさらされるサッシは、時間が経てば傷むのは必然です。このとききちんとメンテナンスに来てくれる、あるいはメンテナンスの十分な技術サポートが受けられることは、私たちにとって建て主様への信頼に直結します。

先日、私たちが1993年に建てた住宅のメンテナンスを行いました。するとノルドの担当者は30年前の製品なんてわからないはずなのに、すぐに直してくれたんです。社内で技術継承ができている、何年経ってもサポートしてもらえる心強さは、ほかに代えがたいものです。

自由な間取りは、たしかな窓から。

おかげさまで近年は外国人の建て主様も増えています。外国人のお客さまの家づくりで感じるのは、ロケーションに対する強い思い入れです。これは北海道だからなのかもしれませんが、彼らはとにかく景色を大事にします。SUDOホームはもともと「東西南北にとらわれない」家づくりをしてきました。見たい景色を見て、そうではない部分は閉じる。環境に応じて開口部の位置や大きさを変えてきました。でも、「東西南北にとらわれない」といったところで、住宅の性能、特に窓の性能がしっかりしていなければそれは成り立ちません。その点、ノルドは大きなアドバンテージになっています。

もう一つは文化の違いです。正直これは言葉よりも苦労します。私たちのあたりまえが通用しないわけですから。たとえばリビングでのくつろぎ方を考えたとき、日本なら多くの場合、テレビはリビングにほぼあります。テレビの場所が確保され、ソファの位置が決まってきます。外国人は必ずしもそうではありません。暖炉の火を囲む、趣味のギターを弾く、友人を招いてパーティーをする…、暮らし方が異なれば、住宅建築に求められる機能や生活動線も変わります。北海道のような厳しい環境において、自由な発想で大胆な間取りを提案するには、それを受け止められる素材が必要不可欠です。

政府はいま、脱炭素社会の実現を目指して、建築物の木造化・木質化を推し進めています。私たちも、住宅の建て方を応用する形で施設建築の提案を行うようにしています。そのとき、ノルドの木製窓はアイテムとしていっそう欠かせない存在になっています。ノルドにはこれからも、長くお付き合いさせてもらえたらと願っています。

DATA

深瀬 正人
SUDOホーム北海道/SUDO設計
https://sudo-con.co.jp/


取材場所
C邸施工現場


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